【 自分の毒のせいで、好物のリンゴが不味くなった蛇 】 (公開日:2010/04/20)
あるところに、リンゴ売りのお婆さんと、蛇の子供がいました。
蛇の子供は、リンゴが大好物でした。
毎年、リンゴ売りのお婆さんから買って、美味しくリンゴを食べていたんですが、
蛇は大人になると、だんだん自分の歯から出る毒が強くなり、リンゴが不味くなります。
少し大人になった若い蛇は、お婆さんが変なリンゴを売りつけているんだと思い、文句を言いました。
けど、お婆さんには、なぜ蛇が怒っているのか分かりません。
そのお婆さんの的外れな対応に、
蛇は、「どうしてリンゴが不味いことを分かってくれないんだろう」と、更に腹を立て、毒が増しました。
そして、友達や町の人達に「あのお婆さんの売ってるリンゴは不味いよ」と言いふらします。
次の日には、隣の町でも「あのお婆さんのリンゴは不味いよ」と言いふらしました。
お婆さんの全てが気に食わなくなった若い蛇は、リンゴだけでなく、
遂にはお婆さんの悪口も……
それを知ったお婆さんは、気持ちが悪くなり、三日間熱にうなされました。
四日目に、それでもリンゴが大好きなお婆さんは、今年のリンゴの収穫の為、畑へ向かいます。
蛇は、その後も、お婆さんの悪口を言い続けました。
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